東京高等裁判所 昭和55年(う)1638号 判決
被告人 三宅栄三郎
〔抄 録〕
原判決は、本件犯行時には前記中江幸雄の所有に属していたと認められる原判示大麻草四袋を関税法一一八条一項により被告人から没収しているところ、原審においては、右中江幸雄に対する右大麻草の所有権放棄の意思確認又は刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法に定める告知の措置のとられていることが明らかにされておらず、また、同法による同人の訴訟手続への参加もなかったことが訴訟記録によって認められるが、当審証人中江幸雄の供述によれば、同人としては、本件発覚に伴い、被告人の搬入した同人所有の原判示大麻草四袋が押収されたことを知ったさい、すでにその所有権を主張する意思を喪失し、それが没収されることを当然のこととして承認していたことが認められるから、結局、同人は原判決当時同法による告知参加を要する第三者に該当しなかったものというべきであって、原審の没収措置に訴訟手続の法令違反があるとはいえない。
(西川 杉山 浜井)